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見城徹

20代、30代の頃から母校や編集者の学校などから講演を頼まれ、40代、50代では企業や公共機関からの講演依頼が圧倒的に多くなった。60代の今では毎日のように講演の依頼が来る。そのほとんど全てをご辞退して来たが、稀には仁義や恩義、義理があって引き受けさせていただくこともある。しかし、この7、8年で講演したのは電通、テレビ朝日、TBS、家庭教師のトライ、静岡県立大学、東北芸術工科大学、ぐらいだ。その全てに強いGNOがある。母校の静岡県立清水南高校では全部で3回しているが、これは僕にとっては特別だからだ。お引き受けすると直ぐに主催者側の担当者や責任者が挨拶と打合せを兼ねて訪ねて来てくれて、今まで行き違いや不愉快なことなど一つもなかった。 講演というのは基本的には自分の自慢話だと思っている。自分がどう考え、どう生きて、どのように仕事をして来たのかを話すのだから、自慢話にならざるを得ない。僕はそれが嫌なのだ。講演が終わった後の2日ぐらいは自己嫌悪で胸が一杯になり仕事にならない。それが僕の講演を断るたった一つの理由である。 それを覚悟して強いGNOがある依頼者の講演は引き受ける。 今回は依頼者側が全てに無神経に過ぎた。他者への想像力など一片もない。多分、このまま不愉快さを我慢して強行すれば、当日もっと最悪なことが起こった気がする。やめて良かった。

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