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見城徹のトーク
トーク情報見城徹 三上雅博三上雅博 僕は僕を知らない人達に囲まれながら毎日緊張している。30年経っても何も変わらない。ずっと震えている。臆病でか弱い野生の獣は毎日恐怖に怯えている。僕のか細い心は簡単に壊れてしまう。いつになったら自信を持てるのか。どれだけやったら安心できるのか。カウンターで大勢の視線に晒されると、目に見えるくらい手が震えてしまう。情けない。恥ずかしい。僕は僕を測ろうとする人達の目が怖い。輝く目をした人々の期待に応えられるのかと言う心配は、どう足掻いても払拭される事はない。何者でもない僕に出来ることは命を削るくらいしか無い。何も欲しない。何も望まない。この命さえも捧げるから、この手の震えがおさまってくれたら良いのにな。
きっと性格的に鮨職人は向いてない。自信なんて持てない。希望なんてない。明日なんて見えない。そもそも人前に立つのが向いてない。僕にはひとりぼっちがお似合いだ。それでもそれしか出来ないのだからやるしかない。僕は狂わなければ生きていけない絶望の中にいる。