見城徹のトーク
トーク情報見城徹 ikutamaikutama 「文庫版のあとがき」を目当てに購入。単行本から2年の時を経て改めて読んだ。特に「文庫のためのあとがき」は受験生のように読んだ。
755で毎日情報に触れていることと、書かれている何人かの作品に触れた分、一つずつ言葉の重みが増した。
「自分の心が揺らぐ瞬間を発見し、思考の軸とすること」「不安を消すためには『言葉』が必要」「正確な言葉がなければ深い思考はできない。深い思考がなければ、人生は動かない」
見城さんは70手前でボクシングを始めた。成功するためではなく、自分のために挑戦者としてリングに立つ。荒野に立つためだ。読書は荒野、荒野を耕したら、読書から次の荒野に向かう。
読み終えて文庫本の写真と向き合えるようになった。プロとしてではなく、素人として新しいリングに立つ。私は家庭を大切にしながら、荒野に立つ。見城徹 見城徹見城徹 競馬中継の杉本清アナウンサーの言葉は鮮やかに僕の青春を思い出させる。タイテイムが勝った1973年の春の天皇賞。
「春が来ます!春が来ます!四白流星を泥に染めて、無冠の貴公子についに春が訪れます!タイテイム、一着!」
その前年の皐月賞はランドプリンス。日本ダービーはロングエース。今度こそ絶対と言われ一番人気を背負った菊花賞ではイシノヒカルに差し切られ涙を飲んだ。そして臨んだ翌年春の天皇賞。スタート直前、突然に春の雨が降り一瞬で止んだ。ゴール前にかかった靄の中を馬群が飛び込み、靄から出て来た時はタイテイムが一頭抜け出していた。馬体をぬかるんだ泥に染めて、一着でゴール。杉本清アナウンサーの名実況が飛び出した。劇的な勝利だった。僕は恋人とその場面を秋葉原の喫茶店で観ていた。何故か身震いがした。その直後その喫茶店で僕は恋人に結婚を申し込んだ。タイテイムがあんなに劇的に勝っていなかったら?杉本清アナウンサーのあの実況がなかったら?僕は多分、あの場でプロポーズはしなかったと思う。