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見城徹

僕は1年半の間、森喜朗さんと月に一度のペースで2時間ぐらいお会いして来た。森さんに無理にお願いして毎回お話を伺ったのだ。そのお話しは学ぶべき示唆に富み、ユーモアたっぷり、自己嫌悪も少々滲んで僕としては幸福この上ない時間だった。だから、僕は森喜朗さんが無償で今の立場を引き受け、私財まで投じて東京五輪にどれくらい献身的に尽くして来たかをつぶさに知っている。そのさ中、肺癌とも戦っていたのだ。僕にとって森喜朗さんは途方もなくチャーミング、懐が深くて、人間味溢れる方だった。7年もの間、無私の精神で東京五輪に尽力して来た方が今、批判の矢面に立たされている。深い意味で言ったことではないことはよく解る。病体に鞭打って国家を挙げての世界的、歴史的なイベントの舵取りを責任を持って遂行する以上、遅滞なく進めるには「これはちょっと困る」と思った案件は幾つかはあっただろう。その愚痴が身内の会でつい出てしまった。そんなことではないだろうか?ともあれ、発言した内容は許されるべきものではない。しかし、ここまで頑張って来た人が袋叩きにあっているのを見るのはいかにも切ない。 東京五輪は中止すべきだと僕は思っている。こういうことに時間やエネルギーを費やすより、東京五輪に関して、一刻も早く本当の国益を考える時だと僕は思う。

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