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見城徹

僕はゴルフのスコアを誤魔化されるとその人への気持ちが一気に冷める。ワンラウンドに1回や2回なら思い違いをしたのだろうと思いたいが、意図的に誤魔化す人は誤魔化す病気だから何回でもやる。それがその人の本質だ。そんな人と真剣に付き合えない。某テレビ局の取締役と僕は長年の友人だった。仕事でも何度も組んだ。お互いに不可能を可能にし合った。その彼がゴルフを始め、ゴルフに夢中になった。コースへのデビューも付き合った。何ホールか廻る内に可笑しなことに気付いた。毎ホール、打数は10を超えるのだが、8とか9と申告する。最初だから一桁申告に決めているのだろうと考えることにした。 10ヶ月後に彼との2回目のゴルフをした。少し上手くなっていたが、ほぼ毎ホール、スコアを少なく間違える。3回目のゴルフでこの人は意図的に誤魔化しているのだと確信した。この人とゴルフをするのが憂鬱になった。その2年後ぐらいに5回目のゴルフ。ミドルホールで9を打ってダボと言われて心が折れた。この人は自分が誤魔化しているのを気付かれていないと思っている。その日からこの人のゴルフの誘いは全て断った。付き合う気も失くなった。その後、その人のスコアの誤魔化しはテレビ・広告業界で有名になって行った。本人だけが気付いていない。僕が忠告しようと思ったがその会社の何人かに止められた。僕の好意は裏目に出るだろうと言うのだ。結局、その人はそのテレビ局で本人の不本意な道を辿ることになる。たかがゴルフ、されどゴルフなのだ。

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