鈴江信彦のトーク
トーク情報- 鈴江信彦
鈴江信彦 [新宿スワン]第11巻 和久井 健 著 講談社
第11巻を読み、今更ながらですが“闇金融とは何だったのか”が理解出来ました。
“闇金融”と“高利貸し”の明確な違いも理解出来ます。
そう、この巻ではまた僕の大好きなキャラクターが登場しました。高利貸しの不川です。
不川は正面突破の姿勢を常に崩しません。“貸した金を回収する”という己の原理原則に則り、金を返さない相手に直接会いに向かいます。たとえ相手がヤクザであろうとも、です。もちろん回収する為に必要とあらば肉体的な暴力も厭いません。
“貸した金は返してもらう”_ただそれだけのために自分の全エネルギーを懸ける。回収する為にはありとあらゆる手段を直接的に躊躇なく繰り出す姿勢は闇金融の連中とは全く異なり、シンプルに格好良いです。
第11巻では真虎の動きにも注目です。真虎は二歩、三歩どころか、十歩くらい先まで絵を描いて行動に移しているように思えます。
いや、実はこの[新宿スワン]の大筋はすべて真虎が描いていて、タツヒコをはじめ登場人物のすべてが真虎の絵の通りに動いているのではないか?と思えてきました(真虎がタツヒコをスカウトしたのも、真虎が描いた絵を遂行する為だったのか…)。
そして、これほどの真虎なのですから、きっと物語の最期・幕引きも既に描いていると思えて来ました、
最後に。
僕が第11巻で一番心に残った言葉はマユミの“いまさら謝ったって、もう遅いよ”です。
タツヒコを裏切り続けて来たマユミとしては、“今更タツヒコに謝罪したところでタツヒコは絶対に許してはくれないだろう”という思いです。
たしかにどう考えても許す・許さないどころかタツヒコに深く恨まれ、復讐されても当然のことをマユミはやって来ました。
果たしてタツヒコは第12巻でどのような行動に出るのか…タツヒコはタツヒコであり続けられるのか…