死ぬために生きる死ぬために生きる3日前7月にサッカー選手として復帰する。男として大変みっともないが、長くピッチから離れていたため、復帰するのが怖い。怖さを感じるのは、昨年キックボクシングの試合に出た時以来だ。どれだけ準備しても、気絶して地面を這いつくばるのではないかと毎日怖くてしょうがなかった。しかし、やればやるだけ結果が出る。僕程度のちっぽけな経験の中だが、やれば結果が出てやらなければ結果が出ないのは骨身に染みている。身体が結果を出す型を覚えている。僕なんかと到底比べられないが、モハメド・アリ(カシアス・クレイ)も全盛期だった20代後半で戦争を理由に3年7ヵ月リングから離れた。復帰後のジョー・フレジャーとの世紀の一戦は負けてしまうが、その3年後には当時ヘビー級世界最強と謳われたジョージ・フォアマン戦との一戦で劇的逆転KO勝利を果たした。熱狂と圧倒的努力以外の何物でもないだろう。僕は僕なりのキンシャサの奇跡を起こす。サッカーはあと1年で引退する。後悔し切って辞めるために、1日1日をやり切る。それのみだ。よし、走ろう。192
死ぬために生きる死ぬために生きる2日前↑見城さんが飲まれたワイン。左からサロン、ブリュット、ブラン・ド・ブラン、ル・メニル 2013レ・ヴィーニュ、デュ・プレシュール、ドメーヌ・ヴァインバック 2021サヴァニエドメーヌ、ベルテ、ポンデコート・デュ・ジュラ 20221117
死ぬために生きる死ぬために生きる2日前料理を作り、提供する方の気持ちがこもっていて美しく提供されているのはもちろんのこと。見城さんが撮る料理の写真は、料理そのものだけではなく、器や雰囲気を込みでアートとしてもバランスが良い気がする。写真だけで美味しそうなのも十二分に伝わってくるし、引き込まれそうになる。器も素敵だ。51
死ぬために生きる死ぬために生きる1日前昔家にいた犬、"イングリッシュ・スプリンガー・スパニエル"と街で遭遇し、当時を思い出した。元々捨て犬だった彼女を、知り合い伝手で引き取った。毎朝散歩のために起こされ、目を擦りながら向かう散歩はルートや用を足すポイントが決まっているため、特にリードを引っ張ることもなかった。犬も本気で喋ってくれると思い込んでいたため、ところ構わず話しかけ、幼少期の喜怒哀楽を全て共有した。彼女の前で号泣することもあった。今思うと懐かしく愛らしく恥ずかしい気もするが、彼女に僕の人格の一部を築いてもらった気がする。また同じ犬を見かけた時、次は間違いなく話しかけてしまうだろう。37