umiのトーク
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umi [銀河で一番静かな革命]
マヒトゥ・ザ・ピーポー
母からの愛を一度も感じたことがない。
父親が誰かもわからない。
愛がないのに抱かれてしまったーー。
運命に翻弄され、小さな命を日々すり減らす者たちに突如訪れる"あと10日で世界が終わる"という宿命。
命の終わりが見えたとき、金も名誉も美も持っていない彼らの手元に残るのは「何を大切にしてきたか」という、たったひとつの問いだけで、各々の10日間の最期の営みによって暗にそれが明示されていった。
遠い誰かの物語ではなく、すぐそこに、すぐ隣りで、彼らが息をしているようだった。
この物語は[アルマゲドン]のような話しではなく、非現実的な終末装置で炙り出された、生々しい存在感ある現実物語であった。
読後、自ずと最期に手元に残るものについて考えた。