二宮和也、西島秀俊、綾野剛の3人の男優陣が素晴らしい。二宮和也は表情一つで全てを解らせ、綾野剛は腕一本で人生を語り、西島秀俊は言葉一つで観る者の魂を奪って行く。特に西島秀俊は正に演技開眼、あらゆる動きが胸に響く。してもいない咳払いや溜息、肉体の中で密かに脈打つ心臓の鼓動、雑踏にかき消される足音などが、あたかもすぐ間近にいるように聴こえて来る。西島秀俊はこんなに上手い役者だったんだと、驚愕した。宮崎あおいも健気な妻役を抑えに抑えて熱演、この映画全体を貫く美しさを支えている。
もう一人、主役が。それは全編を通して今、目の前にあるように湯気や匂いまでも描かれる料理の数々。こんな凄い映画、よく実現したよ!滝田洋二郎監督、有難う!bravo!
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