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三上雅博

15歳の頃の話です。 人生で初めて出来た彼女と付き合った当初は彼女の家の前によく男が待ち伏せしていた。僕と付き合う前からずっとその男に言い寄られていた。その相手から電話がかかってきたので、僕は彼女から電話を奪い直接話をした。 相手の男は僕を夜の公園に呼び出した。僕も名前くらい知っている僕と同じ歳の不良だった。 僕は一人で指定された場所へ出向いた。土砂降りの雨が降っていた。 何人かで待ち伏せしているだろうと踏んでいた。だから意外だった。男は雨の中傘も刺さずにひとり雨に打ちひしがれていた。 「ドラマかよ...」僕はそんなひとりごとをボソっと呟いてから男の前に立った。 男は雨に濡れて震えていた。僕を見てタバコに火をつけようとしているが濡れているからか震えているからかうまく火がつかない。虚しくライターの石が擦れる音が響くだけ。僕はポケットからライターを出して火をつけてやった。 一瞬驚いた顔で、咥えたタバコにその火をつけると男は手に持っていた自分のライターを地面に叩きつけた。 「あいつと付き合ってるのか?」その問いに、僕は「あぁ」と答えた。 両手で胸ぐらを掴んできた。僕はそのまま掴まれてやる。その手は怒りか悔しさか切なさか寒さで震えていた。僕が手を出したら遺恨を残す事になるだろうと思った。 「殴らせろ」と言ってきた。なんだか僕には男の気持ちが痛いほどわかる。 「それで気が済むなら殴れ」そう言ったら2発殴られた。男は泣いていた。雨で涙は流される。僕は立ち尽くす男に声をかけずにその場を立ち去った。

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三上雅博のトーク
トーク情報
  • 三上雅博
    三上雅博


    おはようございます。
    2020年6月に親父が投稿した、石原慎太郎さんとのツーショットと、去年の6月の僕の投稿のリトークです。

    石原慎太郎さん祐次郎さんご兄弟は少年時代、僕の地元で生活されていた時期があります。小樽の人達はその事をずっと誇りに思っています。それだけが唯一小樽の自慢なのですから。僕も石原慎太郎さんにお会いしたかったです。親父に頂いた言葉を励みに今日も鮨に狂います。

    本日も皆様、宜しくお願い致します。

  • 三上雅博
    見城徹見城徹

    雛祭り 盃交わした 漢の日  徹城

    石原さん、僕は74歳になりました。74歳のガキです。僕は人生を石原慎太郎に教わりました。あなたとの想い出を胸にあと少し生きてみます。

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  • 三上雅博
    三上雅博

    小樽で生まれ育った少年は、運命に導かれ、
    奇跡のご縁を頂き、見城徹を親父と慕い、人生を教わっています。

  • 三上雅博
    三上雅博三上雅博
    投稿画像

    いつも烏賊を切る時は、店内を烏賊切り用ライティングに切り替えて集中します。

    その時の音楽は坂本龍一の「12」を流しています。

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  • 三上雅博
    三上雅博三上雅博

    闇の中、目の前のまな板だけを淡く照らす。暗闇と静寂に包まれたい。
    ただ無音にしたくても冷蔵庫などの機械音がそれを邪魔する。
    でもこの削ぎ落とされた坂本龍一の音楽は邪魔な音だけを綺麗に消してくれる。
    まるでここは自分だけの世界。
    自分と向き合い対話する時間にもなっている。

    その世界に入り込みすぎて正気を失い、戻って来れなくなる時がある。

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  • 三上雅博
    三上雅博

    石原慎太郎も、坂本龍一も、尾崎豊も。僕が憧れた、僕の想像の中の世界で創り上げられた人物像は、親父の生き様と思い出とその言葉によってどんどんと肉づけされ、その輪郭が段々とはっきり見え始め、そして実態化し、現実世界と混ざり合い、結合し、僕の血肉となって行くのです。

  • 三上雅博
    見城徹見城徹

    また日曜日になった。70年間3800回ぐらい日曜日を迎えて来た。日曜日が終わり、また日曜日が来る。それを繰り返して人間は土に還る。本当は、時間などない。時間は人間が作った概念であって、あるのはただ肉体の成長と衰弱だけだ。生まれて死ぬだけだ。時間という概念の発明は言葉の発明と共に人類の最大の発明である。正確な言葉で思考する。言葉によって発想された時間という概念で、生まれて死ぬまでを過ごす。100年後も1000年後も10000年後もやがてすぐに来る。宇宙という摂理の中に人は一瞬の間、ただ在る。その悠久の中で一瞬、足掻く。泣く、笑う、怒る、喜ぶ。全ては死を迎えるための準備なのだ。徒労。それこそが人生。そう思えば今日の困難と憂鬱は何ほどのこともない。忍びて終わり悔いなし。

  • 三上雅博
    三上雅博


    おはようございます。
    2021年3月の親父の投稿のリトークです。

    この世に生まれ落ち、時間と言う概念の中で一生を過ごす。人は死ぬために生まれてきた。振り返るとあっという間の人生だった。すぐに時間は過ぎて行く。どうせ一夜の物語。綺麗に咲かせて散っていきたい。
    行く道は精進にして忍びて終わり悔いなし。

    本日も皆様、宜しくお願い致します。

  • 三上雅博
    三上雅博

    人は闇夜の月の様
    暗闇の底に浮かんでる
    誰の目にも映らない
    でも確かにそこに存在する
    誰かの光に照らされて
    初めて輝くことが出来るのだ
    人は一人じゃ生きられない
    闇夜の月は孤独に震え
    光を求め彷徨っている