三上雅博のトーク
トーク情報三上雅博 見城徹見城徹 人間は生まれた瞬間から必ず死ぬ運命にある。
人は死ぬと解っていて何故、生きるのか?
今、外苑通りを車で走っている。明日死ぬと決まっているならば、外の景色は切ないほど愛おしく見えるだろう。諸行無常。生者必滅。今日一日をどれくらい覚悟して生きられるかどうか?目を瞑る。[豊饒の海]の最終巻「天人五衰」を書き終えて45歳で切腹して果てた三島由紀夫を想う。
益荒男が たばさむ太刀の 鞘鳴りに 幾とせ耐へて今日の初霜
散るをいとふ 世にも人にも さきがけて 散るこそ花と 吹く小夜嵐
三島由紀夫は二首の辞世を残した。生きるということは死ぬということだ。その覚悟。その虚無。
人は誰もやがて荒野の風になる。三上雅博 見城徹見城徹 ↑ 人生に何回か劇的な一日がある。三上にとっても僕にとっても昨日はそういう一日だったのだろう。ただ善意だけで始めたことを終了するのは辛いが、人には限界というものがある。善意とは自分のエゴイズムだが、三上の善意も同じことのように思える。来るべき時が来たのだと判断する。
善意の第三者として力を尽くし、やがて、それがストレスになってしまう。払う犠牲も限界を超える。奉仕する自分という自己満足が崩壊する。三上に何があったのか知らないが、僕の場合はそうだった。後ろ髪を引かれながら自己嫌悪と共に退却を決断する。前進も退却も決断は当たり前だがいつだって激しい精神の劇を伴う。正解なんてない。昨夜は眠れなかった。絶望し切って死ぬために究極の自己肯定をしなければならない。


