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三上雅博

シンコ→コハダ→ナカズミ→コノシロ。 寿司種によく使われる出世魚。うちの店でも年間を通して使わせて頂いております。 初夏に出始める「シンコ」は、キロ単価にして数十万円の値が付く事もあります。 まるでメダカの様に小さな小さな魚なので、例え1キロでも膨大な尾数になります。仕込むのにもかなりの時間を要します。 先日、3キロのシンコを仕込みました。工程の説明は省略致しますが、酢で締めてから、食べ頃になるまで手当てを続けます。まるで布団で寝かせる様に、一日に何度か床替えして、衛生を保ちながら出番を待ちます。 頃合いを見て、小さなシンコの一枚を味見します。目を瞑り、ひと噛み毎に、うん、うんと、頷きながら味の深層を探るのです。 噛み始めてから余韻に至るまで、深淵に落ちる様に深く深く潜ります。 違和感はその余韻にありました。 それが信じられなくて、もう一枚を口に運ぶと今度は大丈夫。もう一枚、もう一枚と食べてみると何枚かに一枚、ケミカルな香りが鼻に抜けるのです。わかりやすく説明すると、化学薬品の様な後味が、わずかながらに感じ取れるのです。 海が汚れててしまったのか。これは他の魚にもたまにある現象です。外見では絶対にわからない事で、食べてみなければ感じられない事なのです。駄目だとわかっていても、どうしても信じられなくて、使えないと知りながら、どうしても捨てきれなくて、同じ様に手当てをして大切にしまってはみるものの、翌日また何枚も何枚も味見して、ただただ絶望するのです。 同じ行動を繰り返した挙句、悲しいけれどサヨナラするしかありません。 小さなシンコは数枚を重ね合わせ一貫とします。小さいものは10枚ほど重ね合わせて握ります。手間や原価を考えると、こんなに非効率な魚は他にありません。 どれだけやっても報われない。どれだけやっても救われない。どれだけ真心を込めても。どれだけ誠実にやっても。どれだけ命を捧げても。 それでも捨てなければならない時がある。 これが世の常なのだから。 さよならだけが人生だ。

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三上雅博のトーク
トーク情報
  • 三上雅博
    見城徹見城徹

    トレーニングの合間に美木良介先生と世間話をする。セットの合間の時間を少しでも長くしようという魂胆で喋り続けるのだが、非情にも「はい、ではやって下さい」で一旦、話しは打ち切られる。しかし、この会話の時間が楽しい。トレーニング中に大塚製薬のボディメンテを3本飲む。これが干天の慈雨のように美味しい。美木良介先生がたまに言うセリフが胸を撃つ。ワンセットが終わり次のセットに躊躇している僕にこう言うのだ。
    「見城さん、誰のためにやるんですか?僕のためにやるんじゃないでしょう?自分のためにやるんですよ。はい、では始めて下さい」
    やるしかないよね。

  • 三上雅博
    見城徹見城徹

    腕立て伏せでも懸垂でもバーベルでもいい。限界まで行って、もうこれ以上はダメだとなってからの一回、二回。体は極限状態で悲鳴を上げている。これをやるか?やらないか?人生も同じだ。

  • 三上雅博
    見城徹見城徹

    共に鍛え、共に喜び、共に笑い、共に泣く、いついかなる時も決して裏切ることのない唯一無二の親友、それが筋肉さ。

  • 三上雅博
    三上雅博

    本日は親父の過去の投稿より、2018年2月の投稿をリトークさせて頂きます。
    沢山リトークしてしまい申し訳ございません。

    限界のさらにその先へ。
    昨日までの弱い自分を殺すのだ。
    ハードルは益々高くなる。
    やらない理由は無数に浮かぶが、やる覚悟はなかなか決まらない。
    楽に逃げるな。立ち上がれ。
    そして、立ち向かえ。

    本日も皆様、宜しくお願い致します。